• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

アミノ酸が膵β細胞量に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24700826
研究機関神戸大学

研究代表者

淺原 俊一郎  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00570342)

キーワードエピジェネティクス
研究概要

我々の研究室では、膵β細胞量におけるエピジェネティクス制御機構の研究を行っている。本研究計画では、食事による栄養素、特にアミノ酸がエピジェネティクス制御を介して、膵β細胞量にどのような影響を及ぼしているかについて検討を行っている。
これまでの報告において、アミノ酸がmTORC1活性を亢進させることが知られており、血中アミノ酸濃度を上げることによって膵β細胞量が増大することが予想された。しかしながら我々の検討では、高脂肪食などの食餌を与えることによって血中や肝臓内のアミノ酸濃度が上昇しても、インスリン生合成が必要な状態においては、膵島内のアミノ酸濃度は逆に低下することが明らかとなった。これは膵β細胞において大量に合成されるインスリン生合成にアミノ酸が供給されるためと考えられた。またそのような状態においてはインスリン遺伝子の転写誘導も必要であることから、HDACの発現が低下することによってヒストンアセチル化を促しているものと考えられた。
膵島内アミノ酸濃度の低下はGCN2を活性化することにより、膵β細胞におけるmTORC1活性を調節することを明らかとした。しかしながらアミノ酸によるエピジェネティクス制御の変化が、直接膵β細胞量に影響しているかについては確認することができなかった。
膵島におけるアミノ酸濃度、およびヒストン修飾酵素の発現量は、他の組織とは大きく異なっていることから、固有の制御機構が働いていることが予想される。今後はエピジェネティクス修飾酵素のノックアウトマウスを解析することにより、膵β細胞特異的なエピジェネティクス制御について検討を進めたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pancreatic β cell failure mediated by mTORC1 hyperactivity and autophagic impairment.2014

    • 著者名/発表者名
      Bartolome A, Kimura-Koyanagi M, Asahara SI, Guillen C, Inoue H, Teruyama K, Shimizu S, Kanno A, Garcia-Aguilar A, Koike M, Uchiyama Y, Benito M, Noda T, Kido Y
    • 雑誌名

      Diabetes

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.2337/db13-0970

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Histidine augments the suppression of hepatic glucose production by central insulin action.2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Nakamura Y, Inaba Y, Matsumoto M, Kido Y, Asahara S, Matsuda T, Watanabe H, Maeda A, Inagaki F, Mukai C, Takeda K, Akira S, Ota T, Nakabayashi H, Kaneko S, Kasuga M, Inoue H.
    • 雑誌名

      Diabetes

      巻: 62 ページ: 2266-2277

    • DOI

      10.2337/db12-1701

    • 査読あり
  • [学会発表] 膵β細胞におけるインスリンシグナルのエピジェネティクス制御の解析

    • 著者名/発表者名
      川田有希奈、淺原俊一郎、佐藤綾香、橋本尚子、清野進、木戸良明
    • 学会等名
      第56回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      熊本ホテルキャッスル
  • [学会発表] Paternal allelic mutation at the Kcnq1 locus reduces pancreatic β-cell mass via epigenetic modification of Cdkn1c

    • 著者名/発表者名
      Asahara SI, Etoh H, Inoue H, Teruyama K, Shibutani Y, Ihara Y, Bartolome A, Hashimoto N, Matsuda T, Kimura-Koyanagi M, Kanno A, Nagashima K, Nishimura W, Yasuda K, Inagaki N, Seino S, Kasuga M, Kido Y
    • 学会等名
      5th AASD
    • 発表場所
      グランドヒルトンソウル

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi