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2012 年度 実施状況報告書

ストレスによる癌進行に対するローズマリー由来成分の効果

研究課題

研究課題/領域番号 24700832
研究種目

若手研究(B)

研究機関佐賀大学

研究代表者

萱島 知子  佐賀大学, 文化教育学部, 講師 (90452599)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードローズマリー / カルノシン酸 / カルノソール / 卵巣腫瘍細胞 / 血管内皮細胞 / ストレス
研究概要

精神的なストレスががんの発症・進行に関与していることは疫学調査や動物実験により明らかになっている。そのメカニズムは不明な点が多いが、近年、ストレスホルモンによる血管新生促進が影響していることが明らかになった。ハーブのローズマリーは香辛料や飲料として利用され、一般的にリラックス効果によるストレス軽減が知られている。申請者はローズマリー由来の成分が血管新生抑制効果を示すことを見出している。そこで、本研究では、これらのローズマリー由来の血管新生抑制成分が、精神的ストレスによるがん増大に与える影響を明らかにすることを目的とする。現在までに、以下の成果を得ている。
がん細胞としては、ストレスホルモンにより増大することが報告されている卵巣腫瘍細胞SK-OV-3を用いた。SK-OV-3にストレスホルモン刺激を与えると、血管新生を促進する因子の発現が増大することが報告されている。興味深いことに、この因子のタンパク質量をELISA法にて定量した結果、ローズマリー由来成分がストレスホルモンによる発現増大を抑制することが明らかになった。この結果より、ローズマリー由来の血管新生抑制成分が、精神的ストレスによるがん増大を抑制する可能性が示唆された。今後は、この因子の遺伝子発現量の定量を行うと共に、他の血管新生・がん増大関連因子への影響も明らかにし、ローズマリー由来成分の効果について分子レベルでの検討をさらに進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

卵巣腫瘍細胞におけるストレスホルモン刺激による血管新生促進因子の発現増大にローズマリー由来成分が与える影響について、研究の基礎となる実験条件の設定を確立し、計画していたタンパク質レベルでの解析が行えた。遺伝子レベルでの解析については現在進行中である。

今後の研究の推進方策

平成25年の前半は、平成24年度の検討により確立した実験条件をもとに、ストレスホルモン刺激による卵巣腫瘍細胞に対するローズマリー成分の影響を、タンパク質および遺伝子発現量を定量することにより分子レベルでの解析を進めていきたい。
ストレスホルモン刺激によりSK-OV-3は血管内皮細胞増殖因子であるVEGFを産出する。これを含んだ培地にてヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞HUVEC(human umbilical vein endothelial cell)を培養した場合、血管新生の主要な機能である細胞増殖、細胞遊走、管腔形成が促進されることが考えられる。そこで、平成25年の後半はこのがん細胞へのストレスホルモン刺激による血管内皮細胞の機能促進に対して、ローズマリー由来成分が与える影響をHUVECを用いたin vitro血管新生モデルにて調べたい。
以上の成果を得て、学会および論文等で成果の発表を行うことも平成25年の目標とする。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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