本研究では大腸発酵由来水素の一部が全身の組織へ移動することを明らかにするとともに、生体内へ広く供給された水素が肥満等の全身の酸化ストレス軽減に寄与することを明らかにすることを目的とした。 まず大腸発酵由来水素の生体内分布を網羅的に解析し、門脈血、肝臓、腎周囲脂肪、精巣上体周囲脂肪中の水素濃度が上昇することを見出した。また、門脈を介した経路のみでは全ての組織に水素を供給しえないことを明示した。 次に遺伝的肥満モデルマウスの肥満を誘発する遺伝的背景が大腸水素生成に与える影響を検討し、野生型マウスよりもフラクタンによる大腸水素生成が強く誘導されることを明らかにした。
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