研究課題
茶ポリフェノールには、ショウジョウバエ幼虫における脂肪蓄積の抑制作用があることを明らかにしていたが、その検証を継続し、定量化を試みた。ショウジョウバエ幼虫を高脂肪食で飼育すると、ヒトの白色脂肪細胞や肝臓に相当する器官である脂肪体における脂肪蓄積が増加する。一方、茶ポリフェノールを混ぜた高脂肪食で飼育した場合、この顕著な脂肪蓄積がみられない。このような脂肪蓄積の判定に適した脂肪体の部位については特定することが出来た。しかしながら定量化については、幾つかの手法を用いて検討を行ったが、正確な定量を果たすまでに至らなかった。今後は次の科研費研究課題にて、脂肪蓄積量の正確な定量化ができるようにする。本研究課題の遂行によって、抗酸化機能減退や二型糖尿病モデルなどの疾患モデルショウジョウバエを樹立することが出来た。これらを用いて次にどのような食品成分について、機能の検討を行うかを専門家や共同研究者との間で議論を行った。その結果、海産物や山梨県産品の中から、精製品の試料提供が得られやすく、ある程度の機能が予想可能な食品成分を7-8種類ほど絞り込むことが出来た。そのうちの3種類については、投与実験用にそれらの成分を含む餌を作製した。1つの成分については、高濃度(1%)では寒天が固まらないという問題が生じたが、濃度を下げることによって投与用の餌を作製することが出来た。野生型のショウジョウバエを用いた投与実験を予備的に行ったところ、3種類全てにおいてショウジョウバエ成虫は忌避することなく摂取することを確認した。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Biochem. Biophys. Reports
巻: 4 ページ: 417-424
10.1016/j.bbrep.2015.10.013