ケトン基やアルデヒド基を有する活性カルボニル化合物は心血管疾患や神経変性疾患などの酸化ストレス関連疾病の発症や進行に関与する危険因子であることが最近明らかとなってきた。本研究では、任意の細胞・組織中のアルデヒド化合物を未知のものも含めて網羅的に解析する三連四重極型質量分析計(LC/ESI/MS/MS)を用いた新規解析法の開発を試みた。その結果、回収率、正確度、精度ともに良好な結果が得られ、生体試料中のアルデヒド化合物を網羅的に定量可能であることが認められた。また、本解析法を用いることは酸化ストレス関連疾患の早期診断マーカー・治療ターゲットの探索に有用であることが示唆された。
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