Ⅱ型糖尿病モデルラット(GKラット)では、鉄欠乏食投与により血糖値ならびに炎症性サイトカインが上昇する。本研究では、これらの現象が鉄欠乏ラットの生体内脂質過酸化に起因すると推測し、β-カロテンの経口摂取による脂質過酸化の抑制が炎症性サイトカインの減少および耐糖能の改善に関与する可能性について検討した。 β-カロテンの経口投与により、血清中アディポネクチン濃度の上昇や血清中レジスチン濃度の低下がみられたが、これらの事象の再現性は期間中に観察されなかった。本研究を通してβ-カロテンがアディポサイトカインの発現に影響を与えうる可能性が示唆されたがその機構は複雑であり、精査が必要であると考えられた。
|