研究課題
本研究の目的は、小学校教員を目指す教育学部の理科専攻以外の学生(以後、非理科生と呼ぶ)に対して効果的な理科教育(天文教育)を行うための研究開発を行うことである。本研究では、2011年4月から2012年10月の間に、全国15校の国公私立大学の教育学部に在籍する非理科生を対象に、2つの調査を実施した。調査の内容は、彼らが(1)「小学校理科の指導に関してどのような問題を抱え、何を求めているのかを知るための調査」及び(2)「小中学校で教える天文分野に関する理解度調査」である。調査の回答者数はのべ2031人(理科生も含む)であった。調査により、彼らが将来小学校教員になった時に理科を教える自信はどれくらいあるのか、小学校理科の内容について理解不足や不安な項目に傾向はあるのか、小学校理科のどのような内容に授業の不安を感じているのかという点を明らかにした。(1)の調査の結果、非理科生は、小学校理科の内容について生物の知識のみに教える自信をもち、生物分野以外の知識と、物理・化学・生物・地学の全分野の実験・観察について教える自信が低いということが明らかになった。また、小学校で扱う理科31項目の中では天体に関する項目は教える自信が低いことも明らかになった。非理科生の指導不安の原因は「内容に関する知識不足」と「実験や観察に関する経験不足」であった。(2)の調査では、月の満ち欠けについての現象を児童に分かり易く伝える力がどの程度あるかを調査した。月の満ち欠けの現象を説明の出来る非理科生(現象を理解している非理科生)はわずか21%であり、残り79%の学生は、説明が出来ないという結果となった。非理科生の理科指導の不安を払拭させるためには、小学校で取り扱う理科の全31項目について知識・実験・観察の全てを教えるのが効果的であると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
地学教育
巻: Vol66 ページ: 1-11
THE ASTROPHYSICAL JOURNAL
巻: Vol. 768 ページ: 7
10.1088/0004-637X/768/1/72
http://darkclouds.u-gakugei.ac.jp/public/museum/index.html