研究課題/領域番号 |
24700873
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
浅野 由子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (80508325)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / スウェーデン / ウプサラ / ゴットランド / 持続可能な開発の為の教育 / 持続可能性 / 環境教育 / 環境政策 |
研究概要 |
本研究は、ESD先進国、スウェーデンと、日本の環境政策と環境教育の現状を、政策面および教育面から比較検討することにより、その違いを明らかにし、「持続可能な社会」を目指す上で不可欠となる、「ESDのカリキュラム・教材化および教員養成の開発」の課題を明確化する事が目的である。平成24年度は、特に、両国におけるESDに関する政策レベルの文献研究・フィールド調査を、日本(4月~7月、9月、3月)、スウェーデン(8月、10月~2月)において、半年づつ行った。日本においては、まずESD関係の大学、横浜市立大学から調査を開始し、大学におけるESD活動の実態と、横浜市役所のESDの活動について、調査をした。またESD関係の金山町の保育園の実践と金山町主催の環境政策研究会(木質バイオマス研究会)に参加して、町の動向視察を行った。スウェーデンにおいても、まず、ESD関係の大学、ウプサラ大学とゴットランド大学(本年秋より、ウプサラ大学)の大学におけるESD活動の実態と、ウプサラ市のESDの活動について、調査をした。特に、ウプサラ市が主催した”高等教育における企業教育とESD”というテーマの会議には、スウェーデン各自治体の市職員や政治家、学校関係者や学生が参加しており、スウェーデンが抱えるESDの課題を、政策と教育レベルの両面から、調査をする事が出来た。更に、ゴットランドのスウェーデンESDセンター(SWEDESD)では、所長とESD教材開発者のMr.Wolfgang Brunner氏にインタビュー調査を実施し、ESDの教材開発と教師養成の現状と課題を明らかにする事が出来た。更に、欧州比較教育学会(2012年6月20日)、欧州教育学会(2012年9月19日)、スウェーデン体育大学(2013年1月21日)にて、研究成果を海外で発表する機会を得て、国内・海外の研究者と実りある議論をする事が出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたスウェーデンと日本のESDに関する政策レベルでの実態調査に関して、両国においてほぼ同等にする事が出来た。特に、対象都市の横浜市と金山町、ウプサラ市とゴットランド市におけるESDの課題が明確化してきた事は、進展に値する。課題としては、日本では、政治家レベルの研究対象への調査が難航しており、特に、文献研究が中心であった事。そして、スウェーデンでは、言語の問題から、フィールド調査が中心となった為、今後、日本では、フィールド調査を中心、スウェーデンでは、文献研究にも力を入れられるようにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は 日本とスウェーデンのESDに関して教育面からのアプローチによるカリキュラム・教材化および教師養成の開発の研究を主に行う。スウェーデンと日本の教育政策の位置づけを、各国の教育実践を調査する事により、明確化する。 平成26年度は、日本とスウェーデンのESDに関する民間からのアプローチによるカリキュラム・教材化および教師養成の開発の研究を主に行う。スウェーデンと日本の教育政策の位置づけを、各国の民間の教育実践を調査する事により、明確化する。特に、2014年は、持続可能な開発の為の10年(DESD)の最終年なので、各国の実情を調査すると共に、DESDの総括を行う。11月に名古屋で開催されるDESD会議には、参加出席する。平成27年度は、日本とスウェーデンのESDに関する総合的アプローチによるカリキュラム・教材化および教師養成の開発の研究を行う。最終的には、ESDの政策と教育の統合モデルの提唱をする。最終年は、主に、報告書をまとめる作業も同時に進行し、出版作業も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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