研究課題/領域番号 |
24700873
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
浅野 由子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (80508325)
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キーワード | 持続可能な開発の為の教育 / 持続可能性 / スウェーデン / 環境政策 / 環境教育 |
研究概要 |
平成25年度は、主に、ESDの教育レベルにおける実践を調査し、分析・考察を行った。対象国であるスウェーデンにおいては、ストックホルム市、ウプサラ市、リンショーピン市、オレブロ市における就学前学校、基礎学校(1年生~9年生)、高等学校、大学におけるESDの現状、日本においては、東京都文京区、江東区、神奈川県横浜市、逗子市、茨城県つくば市、山形県金山町における保育園・小学校、中・高等学校、大学におけるESDの現状調査をして、分析・考察を進めた。その結果、スウェーデンにおいては、特に、就学前学校、高等学校、大学において、環境政策において自治体・企業、NGOであるWWF(自然保護基金)等とのの連携した新事業があり、カリキュラム・教材と教師養成の開発が行われている事が明らかとなった。日本においては、保育園において、自治体やその他の機関と連携したESDの実践が、ローカルなものとしてあり、小学校・中・高等学校・大学においては、生活と総合的な学習の時間を活用して、新たな学力と地域との連携を強化するESDの試みが多々ある事が明らかとなった。また、大学(主に、ファクリュティ・ディベロップメント)や学校(主に、ユネスコスクール)間の連携を強化しているが、自治体間や国家間の連携には、より一層の連携の必要性がある事が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年秋には、日本女子大学において、ESD研究者2名(環境教育および民主主義教育、科学教育)を招聘し、国際ワークショップ「持続可能な社会を構築する為に必要な教育および市民参加を促すものは何か?-スウェーデンと日本の実践を比較して‐」を開催し、スウェーデンと日本の保育園のESD実践を基本に、両国のESDの実践を、国・自治体・学校・NGOレベルにて比較し、分析と考察をする事が出来た。また、招聘研究者と公・私立の小学校・中等学校・大学・ESDセンターを訪問し、ESD実践を参与観察・インタビュー調査をする事が出来た事は、比較研究を進める上で大変貴重な機会となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究計画は、主に、NGOレベルの政策・教育実践について、研究を進める予定である。特に、2014年は、持続可能な開発の為の教育の10年(Decade of Education for Sustainable Development、DESD)の最終年であり、11月に名古屋で国際会議が開催される為、会議において、国内と国外のNGOの活動を調査し、国・自治体・学校・企業との連携について明らかにする。必要であれば、アンケート調査を行う事も計画しており、統計的なデーターを収集する事にも力を入れる。更に、比較対象国であるスウェーデンの方との国際ワークショップを再企画する事により、実際に研究を進行しながら、ESD活動に参加する事に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に、ESD実践の調査が多く入る事が推測された為、平成26年度分の前倒しを行ったが、日本での調査が平成25年度中に行えなかった事もあり、残額が生じた。 平成26年度は、平成25年度中に行う事の出来なかった、日本におけるESD実践調査を行い、平成25年度中に生じた残額を使用する。
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