研究課題/領域番号 |
24700878
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研究機関 | 東京都立産業技術高等専門学校 |
研究代表者 |
石川 智浩 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (30369954)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教育学 / 宇宙科学 |
研究概要 |
本研究では学生による衛星製作の課題は宇宙用のものづくり能力の強化にあると考え,今年度は「衛星BBM製作」と「振動試験」の指導書作成を行った. まず「衛星BBM製作」では,高専学生15歳~19歳の学生10名で作成した指導書を用いてテーブルサテライト製作を行った.各所課題が出来つつも衛星バス機能の動作を確認した.但し,熱環境試験と各点電圧電流データ修得は次年度への持ち越しとなった.この内容は宇宙科学技術連合講演会にて発表を行っている. 次に「振動試験」では低コストで授業中に振動試験を模擬し衛星固有振動を知る方法はないか考え,持運び可能な振動試験模擬システム「振動スピーカーによる振動試験模擬装置」を製作した.この装置の評価として衛星固有値を測定した結果と公的産業研究センターの振動試験機での結果を比較し,ほぼ同じ衛星固有値が測定され,また衛星を固定しているネジを故意に緩めれば「振動でネジが回る」という現象も確認できた.また振動スピーカーは安全な振動レベルであるため,衛星が共振時であっても素手で振動を体験することができる.一方コスト面は振動スピーカーとパソコンであることから数万円で授業に導入でき,測定側に関してもFFTアナライザと加速度ピックアップのみであるため20万円以下で揃えることが可能であり,これらフルセットでも学校が購入できる予算範囲である. 平成24年度は以上のような研究実績であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度は衛星BBM製作の指導書作成とモニタ学生による実践を行い,また「振動スピーカーによる振動試験模擬装置」を製作して評価を行った.また衛星通信に関する教材資材の納入の完了し,4月現在で大筋の衛星通信の資料は作成済である.残りの作業は,衛星BBMの熱環境試験と各測定点データ取得と,磁気トルカ関係の指導書の作成・評価となり,その製作見通しも立っている.予算も前倒しでいただいていた. 以上の点から,当初の計画以上に進展しています.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策を以下に箇条書きで示す. ・衛星BBMの熱環境試験と各測定点データ取得(サーモグラフィやオシロでの観測) ・磁気トルカ・磁気測定環境の指導書の製作と評価(磁気シールドルームでの試験) ・衛星通信の指導書作成と評価(電波暗室での評価試験) 以上
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画を以下に箇条書きで示す. ・磁気部品関連の購入(磁気センサ,磁気トルカ材料,3Dプリンタなど) ・施設使用料(磁気シールドルーム,振動試験(必要性に応じて)) ・学会参加・論文投稿費 ・研究調査旅費
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