(宇宙工学教育の必要性実態調査)大学・高専で衛星を製作している学生からアンケートを集めると、衛星開発に必要な知識は十分ではないと感じていることが分かった。またどんな教育が必要かという問いには通信・電源・熱構造・磁気・宇宙環境試験・マイコンの順にニーズがあることがわかり、本研究内容にフィードバックさせた。 (衛星開発に特化したシラバスの作成)①衛星通信関係の指導内容(8項目)②衛星C&DH関係の指導内容(13項目)③衛星電源関係の指導内容(12項目)④衛星宇宙環境試験関係の指導内容(13項目)⑤衛星熱・構造関係の指導内容(7項目)の座学・実験用の教育コンテンツを作成した。座学はExcelソフトを使った実技が半分の教育内容で製作。 (衛星製作用の教材開発と成果)座学用ではPowerPoint形式で各分野の指導書を8種類製作。実験用では電源・通信・マイコン・振動・熱・構造組立・センサ評価など30種類製作。まだ検証人数は少ないが教育実践の結果、座学授業では実技があり良いと答えた学生が100%(回答人数n=10)となった。実験系はクラブ活動学生が教育を受け、100%(n=3)の学生が「衛星製作に必ずつながる」という結果となった。 (モデル衛星用教材製作と成果) ものづくり初心者用にモデル衛星1指導書を製作。ある程度のものづくり経験がある学生用にモデル衛星2指導書を製作。モデル衛星1は荒川区立第3中学校のクラブ生徒らが製作した。アンケート結果で「衛星開発(次段階)に興味を持った」生徒が100%(n=8)であった。モデル衛星2は本校学生らで製作し、60km間のFM通信に製作した。アンケートと口頭質問の結果(n=2)、「衛星製作前にこうした経験は自信につながる」との結果が得られた。
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