研究課題/領域番号 |
24700884
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河 雄一 東北大学, 教育情報学研究部, 助教 (60361177)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 教育工学 / 学習支援システム / 再利用 |
研究概要 |
本研究の目的の1つは,実施した授業実践の分析から次の授業設計・教育を行う成長型授業設計モデルに基づく教育システムにおいて,教師が授業準備を行う際に,画像ファイルやその提示順序などの授業計画の再利用にとどまらず,補充説明などのため共有黒板上に描画を行った板書の内容などを教材データとして選択的に再利用可能とすることで,より高度な授業実践を実現することである。 研究初年度にあたる本年は,我々の研究グループで開発してきた従来型の教育システムである共有型電子黒板システムIMPRESSIONを元に,IMPRESSION上で行われた授業の板書描画等の再利用のために必要な機能・管理方法についての要求仕様分析を行い,その結果から,基本設計ならびにプロトタイプシステムの開発を行った。 研究計画段階から,再利用のためには,従来の描画形式と異なり,ベクトルグラフィックとして描画を管理する必要性があり,また教員の利便性のためにも授業計画と一体となった管理の必要性が予測されており,要求分析に基づき開発を行ったシステムからも,その予想が正しかったことが確認された。 加えて,本研究では再利用の際に,描画内容を,選択的に利用可能とするための手法として,単に矩形等で描画エリアを区切り選択するだけでは目的のオブジェクトを正しく再利用できないことから,描画時間についても考慮することで,再利用を行う手法の提案を行い,プロトタイプシステムへ組み込みを行った。 実際の利用を想定した,動作実験から,これらの仕組みが有効に動作することが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従い,描画等の再利用に必要な機能の分析を行うとともに,プロトタイプシステムの開発を行うことができた。一方で,分散システムとしての検討は研究計画と比べ要求分析等が終了していない。しかし,再利用機能については,予定よりも早く従来システムへ組み込んで,動作試験まで実施を行うことができている。これらのことを総合すれば,おおむね順調に進展していると考えられるため。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画2年目に予定していた,模擬授業を使っての検討に先立ち,分散型システムとしての教育システムの実装を進める必要があると考えられる。その後は,当初の研究計画に従い,試用実験を通じて,提案システムの機能改善を計る。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、分散型システムとしての教育システムの開発に使用する予定である。
|