研究課題/領域番号 |
24700887
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒 優 東京大学, 大学院情報学環, 特任研究員 (60612439)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教員支援 / セルフリフレクション / モニタリング / システム開発 |
研究概要 |
本研究は,リフレクション支援システムを開発し,その効果を実践的に検証することを目的としている.支援の対象とするのは教員自身が自らを省みるセルフ・リフレクションであり,このリフレクションを通して教員のモニタリング能力の熟達を目指すものである.平成24年度は,システム開発の前段階として,必要なシステム構成を決定するためのデータ収集と,プロトタイピングによる小規模な開発を繰り返し行った.具体的には次の3点である.(1)システム開発に必要なデータの収集,(2)開発環境の構築,(3)プロトタイプアルゴリズムの開発.以下,それぞれについて説明する. (1)システム開発に必要なデータの収集:簡易な授業撮影環境を構築し,模擬授業を実施する撮影実験を行った.この実験から,授業者と学習者の行動を記録した時系列の映像を取得した.これらの映像は,教員が学習者の状態を常に把握できていたか,また,適切な学習リソースや介入方法を選択できていたかを判断するために開発するアルゴリズムの基礎データとして用いた. (2)開発環境の構築:(1)と並行して,必要な機材やソフトウェアの調達と,システム開発環境の整備を行った. (3)プロトタイプアルゴリズムの開発:(1)で蓄積したデータを分析し,データの特徴を抽出し,実際の行動とデータをペアリングした.これらを用いて,授業者,学習者の行動を時系列で判別・記録するプログラム解析アルゴリズムのプロトタイプ開発を行った. また,日本教育心理学会や日本教育工学会など,本研究に関連する分野の学会に参加し,有用な知見を得て,システム開発に反映させた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部研究計画を変更したが,全体としてのスケジュールは順調に進展しており,特に問題はない.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,セルフ・リフレクション支援システムの実践的評価を行うのが最終目的である.まず,今年度に開発したアルゴリズムの精度を高めるとともに,出力系統などのコンポーネントを開発して,総体としてのシステムの完成度を高め,実践に耐えうるものにする.その後,複数の研究協力者(大学教員)の協力を得て,システムを教員養成の現場や授業現場に導入し,検証実験を複数回行う.被験者となる教員の授業スタイルや,リフレクションスタイルに合わせてシステムをカスタマイズし,形成的評価を都度実施しながら,総括的評価にまとめる. システムの効果検証は次に挙げる評価指標によって実施する.(ア)セルフ・リフレクション支援システムが出力する授業評価レポートの変化.(イ)モニタリング行動の変化(観察により測定).(ウ)被験者(教員)のリフレクションに対する姿勢の変化.(エ)学習者へのアンケート(被験者(教員)の授業の変化等について). 上述の指標に従い,本研究の二つの研究仮説,「システムが教員のセルフ・リフレクション活動を支援し,活性化する」,また,「セルフ・リフレクション活動が,教員のモニタリング能力の熟達に寄与する」が支持されるかどうかを検証し,本研究の成果としてまとめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は主に(1)実証実験に必要な経費と(2)成果発表に必要な経費で用いる予定である.以下,それぞれについて説明する. (1)実証実験に必要な経費:実証実験に必要な設備の整備,及び実験に必要な実験参加者への謝金やデータ整理などの人件費に用いる. (2)成果発表に必要な経費:本研究の成果を報告するために必要な学会参加費等に用いる.
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