研究課題
本年度は、昨年度の計画を継続し、学習行動を計測・解析するシステムの改良、推定認識率の改善、及び学習行動情報と学習心理状態の関連付けを行った。まず、計測・解析システムの改良を行った。昨年度は、市販IMU-Zモーションセンサモジュールを利用して人間の行動を計測するシステムを構築したが、高価なため、今年度は低価格であるオープンソースハードウェアArduinoと9軸モーションセンサを使って、学習行動の計測システムを構築した。また、LabView(National Instruments社)を使って計測されたセンシングデータから特徴量を抽出・解析するシステムの改良を行った。次に、行動を認識するため、昨年度開発した識別器の改良を行った。具体的には、収集した大規模な行動データから、ノイズ除去および学習アルゴリズムJ48を用いた機械学習を行った。結果として、揺らす、静止、前傾、後傾、横傾、歩くの行動認識率は昨年度より改善され、平均90%で正しく分類された。最後に、各学習行動と学習心理状態の関連付けを行った。具体的には、脳波を検出する無線ヘッドセットemotivを使って、各学習行動のEEG脳波を記録・解析した。記録された脳の活動をα波、β波に分け、頭部の活発度により安静度、集中度など心理状況を推測した。そして、モーションセンサから得られた行動情報とEEGから得られた心理状態の関連付けを行った。結果として、集中低下に伴い、揺らす、傾きなど行動が多く見られた。以上の成果を、日本教育工学会、国際会議e-Learn2014にて発表した。今後、様々な学習行動を認識するため、更に多くの学習行動の収集、認識精度の向上が必要になる。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
World Conference on E-Learning in Corporate, Government, Healthcare, and Higher Education
巻: 2014-1 ページ: 1157-1162