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2012 年度 実施状況報告書

グループ学習形式のフィールド調査における記録の作成・整理の支援システム

研究課題

研究課題/領域番号 24700894
研究機関京都大学

研究代表者

森 幹彦  京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (70362423)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードフィールド調査 / グループ学習 / PBL
研究概要

本研究では,ものづくりワークショップの1段階として設定された実際の現場の問題を発見するフィールド調査を対象とした.従来の付箋紙とペン,デジタルカメラ等を利用した学習者は,機器等で手を一杯にして調査に意識を集中できずにいた.そこで,モバイル端末を利用した集約が考えられる.しかし,単純に既存のアプリケーションの組み合わせで利用実験を行ったところ,それぞれの操作や連携に気を取られてしまいフィールド調査に注意を向けにくいことを確認した.
そこで,独自のフィールド調査を支援するシステムを構築した.本支援システムは,学習者の記録する手書きメモ,写真をとることと,写真上へのメモを即座に記録することができる.これらの記録はネットワークを通じてサーバに送信してデータベースに蓄積する.これとは別に,常時位置情報を記録して同様にデータベースに蓄積する.端末上には地図を表示し,写真やメモの記録場所を提示する仕組みにした.一方,サーバに蓄積されたデータはワークショップ会場に設置されたコンピュータ端末で閲覧できる.写真等を模造紙上に広げて整理することを想定して,会場に控えたスタッフがあらかじめ印刷作業も進められるようにした.さらに,申請者がこれまで別に研究を進めてきた情報カード整理システムとデータ交換のフォーマットをそろえることで表示されたメモや写真を見ながら学習者がグループで議論できるようにした.
本支援システムを利用することにより,容易に写真・メモを残せるため心理的な敷居が下がり記録量を増やせた.また,これまでフィールド調査後に紙地図への手描きプロットや記憶をたよりにして資料を見返していた過程を省略できた.一方,情報カード整理システムの利用を進めると調査から一貫したデータを利用できるようになる.これらにより,学習活動の時間を増やすことができ,潜在的にも学習の向上が期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

システムの構築はおおむね順調に進んでいる.また,システムの実践対象についても様々な示唆が得られており,利用面でも知見の蓄積が始まっている.ただし,情報整理モジュールとした部分の実践的な検証が十分でない.

今後の研究の推進方策

今年度の支援システムによる学習効果を詳細に検証していくとともに,今年度に構築した活動記録データベースの利用場面を十分に検討しながら教授者が利用するための支援システム(活動履歴利用システム)を構築し,教授法の変化などに注目して評価したい.

次年度の研究費の使用計画

実装の段階ではリファレンス機器を定める必要はあったが,利用実験では手元にあるモバイル端末を用いて行った.これは,今年度が旧型端末と安価で高機能な新型端末が現れる端境期にあったため,大量購入に踏み切れなかったことにある.次年度は,利用実験を本格化するために想定台数を確保する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] フィールド調査による学習のための支援システムの構築

    • 著者名/発表者名
      森幹彦
    • 学会等名
      情報処理学会第75回全国大会講演論文集
    • 発表場所
      宮城県仙台市 東北大学川内キャンパス

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公開日: 2014-07-24  

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