研究課題/領域番号 |
24700896
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西森 年寿 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90353416)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 高等教育 / グループワーク |
研究概要 |
高等教育の授業におけるグループワークでの学習者情報を活用したグループへの介入およびグループ構成を支援するシステムを開発し、その効率性や効果について実証することが本研究の目的である。システムの具体的な機能は、教員に対し、学生のプロフィール情報やそれまでのグループワークでの活動の様子をもとに、そのグループに対して効果的であろう介入策や、最適なグループ構成案を提案することであり、協調学習の質を高める効果が期待されるものである。 本年度は、システムに必要な学習者情報を整理しデータベース設計を行う準備を行った。現在の候補となっている学習者情報としては、実際の授業時間で取得できるという条件から、当初の想定よりもより簡易なものに制限することとした。また、効果的な介入策の項目(例として、人間関係の活性化や議論の整理など)やグループ形成案の算定式(例として、形成の判断に使う情報の組合わせや形成時の優先項目などを変数等とする)を整理するため、文献の整理をはじめたが、これについてはグループ活動の形態によって内容が異なり、想定以上の時間がかかることが分かったため、比較的ニーズの高い単純な数パターンの活動にしぼって整理を行うこととした。また、各種技術を比較検討して、システム上での実現可能性を検討し、HTML5ベースとPHPでのWEBアプリケーションとする方向性をかためた。これらの情報を総合し、プロトタイプの設計に取りかかっている段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度当初に、柔軟な開発体制の確保と予算上の問題で、業務委託ではなく、研究室における自主開発の方向で計画したが、開発するシステムについてタブレット端末の活用を中心にすえており、市販のタブレット端末に関してハードウェアおよび開発技術のトレンドの変化が激しく、これらの技術情報の整理に大きな時間がかかることとなった。このためプロトタイプ1の評価に達することができず、プロトタイプ1の設計段階に留まる状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
当初2年目に予定していたプロトタイプ2の開発を、プロトタイプ2に含める要件であったタブレット端末用インタフェースへの対応をプロトタイプ1に含めて、プロトタイプ1として計画を効率的に進める。 ■4~10月 設計とプロトタイプ1の開発と評価:前年度の整理に基づき、必要な学習者情報を整理しデータベース設計を行う。また、効果的な介入策の項目(例として、人間関係の活性化や議論の整理など)やグループ形成案の算定式(例として、形成の判断に使う情報の組合わせや形成時の優先項目などを変数等とする)を整理し、システム上での技術的な実現可能性を検討する。タブレット端末で利用できるグループ形成支援機能について7月までに仕様の確定後、自主開発によりプロトタイプ1の開発を行い、国内研究会での報告を行う。 ■10~1月 プロトタイプ1評価:プロトタイプ1について授業等の学習活動で利用し、実際のグループ活動データとの比較、授業スタッフおよび学生へのアンケートおよびインタビューを通して形成的評価を行う。算定されたグループ案の妥当性、形成されたグループの活動の様子という点を中心に評価を行う。これらの結果について国内研究会で報告を行う。 ■2~3月 プロトタイプ2の設計:形成的評価の結果をうけて改善し、またグループ介入支援機能も含んだプロトタイプ2を設計する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
プロトタイプ1の評価に関わる消耗品の購入に利用する予定である。
|