最終年度では、LMS ManagerとLMS Installerによって構築されたLMSに対して、教師が新たな学習機能を開発しやすくするための周辺ツールの開発およびマニュアルの整備を進めた。周辺ツールとして、LMSで使用するフォームやボタンなどを定義するHTMLタグを、マウスクリックで入力・レイアウトできるようなWebインターフェースを整備し、さらにLMSのリンク切れの検証もWeb上で行えるようなインターフェースを制作した。 そして、サーバ構築からデータベース設定、LMS ManagerとLMS Installerを用いたLMS構築までの手順を詳細に述べた、全20ページからなるマニュアルを作成し、一般的なITスキルを持つ教師が簡便にeラーニングを運用できるための環境を整備した。さらに、そのマニュアルを用いて新規にLMSを構築する実験を行い、一般的なITスキルを持つ被験者がWebサーバの立ち上げからLMSの運用に至るまで、2時間弱でトラブルなく完了できたことを確認した。 本研究のサイクルモデルが実現したことにより、教師が思い描く新たな教育方法を、学習機能として実装・運用するまでの期間が高速化し、特に申請者が進めている教師教育用のLMSについては、大幅な機能拡張とそれに伴って教育実践が深化していったことを実感できた。具体的には、模擬授業の相互評価を支援する学習機能を拡張し、教育実践では、現場教員がLMS経由で相互評価に参加して、コメントを受講者にフィードバックする取り組みを行い、教職を目指す大学生に生の声を伝えることができた。
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