研究課題/領域番号 |
24700905
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
渡辺 雄貴 首都大学東京, 大学教育センター, 助教 (50570090)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モバイルラーニング / コンテンツ開発 |
研究概要 |
本年度は,最初に様々な学習環境の分類を明らかにし,学習環境ごとに必要なメディアを体系化することを目的に,各講義スタイルで求められるメディアの指標を作成を行なった.具体的には,(1)学習環境分類のための質問紙調査(学習環境別学習スタイル調査)項目の作成,および,(2)各学習形態で求められるメディアの整理を行なった. その結果,(1)においては,学習環境,特に電車環境のような多様な阻害要因のある環境において,阻害要因に対応するコンテンツが求められるということが明らかになった.(2)においては,多様な学習環境,特に電車環境にいては,さらに詳細な実験を行なう必要性があることがわかった.また,実験で用いるデバイスは,電車環境においては,汎用性が高く,より高精細なものを採用することとした. 以上より,平成25年度は,これら阻害要因を視覚情報,聴覚情報に分別し,実験を行なうことで,本研究課題が目的とするコンテンツ開発モデルを明らかにすることに近づくと考えられる. さらに,本年度は,これらの知見や渡辺ら(2011)などを参考に,平成25年度に行なう実験教材のコンテンツ作成,客観テスト問題,質問紙の開発などに着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要からも,研究計画は概ね順調に進展していると考えられる.しかしながら,今後,予定通りに進行しないことも考えられるため,以下の対応策を考えている. (1)デバイスの問題 本研究では普及率が高いハンドヘルドデバイス向けの動画コンテンツの開発も検討している.実験で用いる場合,多くの台数が必要となるため,予め発注を行なうなどのことを配慮し,さらに,所属大学とも協力し,デバイスを確保することを視野に入れ,研究を遂行する. (2)学習者(被験者)の確保 本実験課題では,実際に学習者(被験者)が実験的に学習を行ない,評価の指針とする.そのため学習者の確保が重要となる.基本的には,担当する講義などで学習者を確保する計画であるが,なんらかの理由で確保できない状況が発生しうる.その場合は,研究協力を外部に依頼することも検討している.研究協力者(2名)が所属している組織の教員に協力依頼することで確認を取っており,協力者を確保できている.今後の研究進捗の状況によって、外部の協力者に依頼していくことも視野に入れ,研究を遂行する.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進の方策として,平成25年度は,(3)学習環境別の各種メディアの学習効果測定を目的とした取組みを推進し,(4)中間報告を行なう予定である.(3)に関して,具体的には,研究実績の概要で示した,(1)学習環境分類のための質問紙調査(学習環境別学習スタイル調査)項目の作成,および,(2)各学習形態で求められるメディアの整理において体系化した,学習環境ごとに必要とされるデータを元に,実際の学習環境で,学習効果測定を行う.(1)では,学習者のメディア嗜好なども調査することから実験群を作り,嗜好と実際必要とされるメディアを学習効果から測定することにより,学習効果の質保証可能なメディア選択を可能とする.この測定は主に電車環境での調査を予定している.(4)に関しては,毎年9 月に開催されている日本教育工学会全国大会や,3 月に開催されるAACE(Association for the Advancement of Computing in Education)が主催する国際会議である,SITE で中間報告として成果を発表できるように,実験計画を行ない,報告をすることで,今後の計画に反映したいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究における実験において,ハンドヘルドモバイルデバイスおよび,一般的なB5~A4サイズのモバイルデバイスが必要となる.デバイスの購入のため経費が発生する. 国際会議への参加,国内学会発表を行なう予定であるため,研究発表に関係する旅費,参加費などが必要となる.
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