研究課題/領域番号 |
24700908
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
坂田 哲人 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助手 (70571884)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教師教育者 / 教師教育 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本年度は、研究開始初年度として基礎的な情報収集を目標に研究を推進した。一方で本研究課題は、代表者が以前に取り組んだ研究課題(教師教育者の専門性と役割に関する研究(若手研究(B)22730631))と関連が深く、この研究課題の成果を改めて整理し、本研究への応用を検討することも合わせて実施した。 また、本年度の中途(8月)で示された中央教育審議会の新しい教員養成・教師教育に関する指針は、本研究が追究していく内容と関係するため、当初の計画には含まれていなかったが、現時点で想定される影響について検討することを追加した。 研究活動の具体的な内容としては、先の研究から引き継ぐことのできた研究資源を利用して、仮説的に教師教育者に関する現況をまとめ、また国際比較を行う上で、日本の教師教育が抱える特徴、問題点を整理した。この内容を国内外の研究者に個別あるいは学会などの場を通じて投げかけを行い、その反応やディスカッションを通じて、新たな情報を入手するとともに、モデルの再構成を行っている。 また、文献研究の一環として教師教育者研究のマッピングを行った。欧州教師教育学会を中心として教師教育者に関する議論が行われているが、世界的な研究動向としては教師教育者の役割と専門性に関する実態調査が主である。しかし、これらの研究については収束傾向にあり、新たな研究課題を模索している状況にあるという認識に至った。この点については、引き続き、関係研究者と連携して注意深く最新の研究状況にキャッチアップできるように努めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始初年度の目標である、基礎研究状況の把握に関しては、文献の収集整理という面からはまだ分散して検討が進められており、体系的にまとめられているものが少ないこともあって、そのすべてを把握することはできなかった。この点については、当該年度の研究としては、都度教師教育研究者とのディスカッションを通じて積み上げ式に研究成果をまとめる形をとった。 そのため、当初予定していた方法とは研究のアプローチが異なることとなったが、年間を通じて様々な教師教育研究者と交流し、情報交換を行った結果、現在の状況を広く把握することができ、このようなアプローチを通じて、おおむね当初の計画は実現できたといえる。 一方で、基礎的なデータ収集については2年目以降にも一部持ち越して活動を継続する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の計画としては、1年目に一部できなかった基礎研究データの収集を行い、特に教師教育者ならびに支援型教師教育研究の体系化に引き続き努める。また、これらの研究データの日本へのフィールドの応用・適用可能性について検討を開始する。 具体的な研究計画としては、国際的な状況把握のために、昨年に引き続き国際学会への積極的な参加を行い、特に欧州教師教育学会のメンバーとは頻繁に情報交換を行っていく。 さらに、日本、海外の教師教育機関を数校実際に訪問することによって、事例的に実践状況をまとめ、研究成果の応用について検討をすすめていくことを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の研究計画を遂行するために、欧州教師教育学会、並びに数校への教師教育機関への事例研究等のための旅費として研究費を使用する予定である。 現時点で、米国南オレゴン大学への訪問調査が計画されており、実現する見込みである。このほか、国内外の研究者より専門的知識の提供を受ける機会を設ける予定であり、そのための謝金としてさらに一部の研究費を使用する予定である。
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