研究課題/領域番号 |
24700908
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
坂田 哲人 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助手 (70571884)
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キーワード | 教師教育者 / 教師教育 / リフレクション / メンター / リアリスティック教師教育 |
研究概要 |
支援型教師教育モデルを検討するため、リアリスティック教師教育の考えを提唱しているオランダの教師教育研究者であるフレッド・コルトハーヘン氏と面会し本研究テーマに関するディスカッションを行い、この教師教育の方法を取り入れている南オレゴン大学を訪問した。また日本におけるいくつかの事例を収集するなどの調査活動を行い、加えて文献調査や政策研究などを実施した。 これまでに入手することができた文献データや事例データをまとめると、近年の教師教育の重要なテーマとして、体系的な知識や技術の継続的な獲得が必要とされているのはもちろんであるが、より強調されている点として教師や養成課程の学生が主体的に学ぶことのできる環境と仕組みづくりが求められている。 このような環境や仕組みづくりが望ましいかということを考えていくと、例えば教師自身の経験をどのように本人の学びとして発展させていくかということであったり、学びあいの環境をどのように作り出すかということが焦点となってくる。 このことに効果的にアプローチしていると考えられるフレッド・コルトハーヘン氏が提唱するリアリスティック教師教育に着目し、2013年度の研究では、リアリスティック教師教育の主要な観点や実施の手法、並びに考えうる効果について検討を進め、上述の通り米国の南オレゴン大学を訪問し、3名の教師教育者へのインタビューや、学部教員へのグループインタビューなどを通じて、リアリスティック教師教育の具体的な実践方法と、その効果に関するデータを得ることができた。 支援型教師教育モデルの実践においては、これまで以上に教師教育者の果たす役割が大きくなることが想定できる。その関係性はより密接になり、教師教育者個人の特性が与える影響が高くなると考えられる。次年度の研究を通じて、これらの詳細についてより具体的に明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文書籍等の文献や、基礎的な情報収集についてはおおむね完了した。また、2013年度より実践状況のデータ収集も開始した。2013年5月に実践校への訪問取材を終え、今後については、国内の事例を中心にデータを収集する予定である。また、2013年度~2014年度に計画した教師教育のための方法論の検討として、ワークショップの開催を開催する。そのために、2014年度秋ごろにオランダの教師教育研究者であるフレッド・コルトハーヘン氏を招へいする予定である。このワークショップの前後でデータを収集し、モデルと方法論を組み合わせた研究成果をまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度の研究計画は、研究最終年度としてこれまでに収集したデータを活用して、支援型教師教育モデルの開発を目指す。これまでに得た基礎データを使い、加えてリアリスティック教師教育モデルを参考にしながら日本におけるモデルを構想する。 次に、海外並びに国内の実践状況を集約しながらモデルの構築を目指すとともに、具体的な教師教育の方法の開発のために、最終年度にリアリスティック教師教育の実践者であるフレッド・コルトハーヘン氏を日本に招へいし、教師教育者教育のためのワークショップ等を行う予定である。その前後において影響や効果を測定し、支援型教師教育の理論から実践までのモデル化を試みることを計画している。これを持って最終的な研究成果としたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外研究協力者への研究協力謝金として準備していた金額について、一部計画を変更し2014年度に実施する研究協力への謝金として支出することになったため 上述の通り、2014年度に教師教育ワークショップの日本における実践を依頼する海外研究協力者への謝金として充当する予定である。
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