平成26年度の研究では大きく分けて2つの研究を行った.
一方の研究は,すでに運用中であるPC上で動作するレスポンスアナライザを用いた学習記録の分析である.特にレスポンスアナライザ上での学習者の操作記録に関する分析を中心に行った.前年度に行ったレスポンスアナライザの改良により,学習者が質問へ応答する際の操作と,その前後のプログラムの画面切り替えの操作の時刻が正確に記録できるようになっている.その記録を用いて学習者の質問への正答率と画面切り替え操作の関係に注目した分析を行った.その結果を国際会議にて発表した.
他方の研究は,前年度に開発を行った新しいアーキテクチャを有するWeb型のレスポンスアナライザの改良と実授業での試用による評価である.新たに開発したレスポンスアナライザは,新しいWeb技術であるWebSocketを用いることにより,リアルタイム動作可能なWebベースシステムであることを一つの要件としている.この要件に対してSignalRというAPIを採用した.SignalRはWebブラウザがWebSocketに対応していない場合でもAjaxによる非同期なポーリング接続を活用することで,サーバ側からクライアント側へリアルタイムにデータを送信するための実装を有するなどブラウザ互換性が高い.実際に授業で試用を開始したところ,あらかじめ準備した端末だけでなくBYODでの運用も可能であることを確認した.また,レスポンスアナライザとしての基本機能についても実用性を確認した.
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