本研究の目的は、パソコンを用いる授業を対象とし(1)学習者のつまずきを定量的に把握し、(2)全員の理解の程度をリアルタイムで把握しながら授業を進行できる環境を構築することである。 【24年度の成果】学習者のつまずきを把握するために、演習中の操作の過程を取得することに成功した。具体的には、受講者のPC画面に対して操作対象を抽出しサーバに蓄積するシステムと、プログラミングなどの編集過程をサーバに蓄積するシステムである。両システムは、キー操作やマウス操作を行うことにより発生するシステムメッセージを、グローバルフックを用いて監視することにより実現している。これらの研究成果は、2013年に開催されたFITにて「グローバルフックを用いたプログラミング過程可視化システム」と題して発表した。 【25年度の成果】 全員の理解の程度をリアルタイムで把握しながら授業を行うために、サーバに蓄積したデータをWebブラウザを用いてリアルタイムに確認できるシステムを構築した。具体的には、プログラミングの授業を対象とし、ソースコードの編集過程、コンパイルのエラーの有無を確認できるシステムである。本システムは、24年度の成果として得られた情報を学生ごとに任意の時間軸から振り返ることができるシステムである。本システムを用いることで、学生と共に学生が行った操作やソースコードの編集過程を振り返りながら、間違いのきっかけとなった原因を指摘できるようになった。これらの研究成果は、2014年に開催されたSITEにて「A Programming Process Visualization System With Global Hooking」と題して発表した。 【今後の研究の展開】 操作過程の蓄積したデータに対して、有益な情報の抽出とその可視化に関して継続して研究を行い学会や論文を通じて成果を公表していく予定である。
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