研究課題
平成27年度には、実際の授業で提出された授業課題ソースコードを用いて提案手法を実装したシステムの採点および盗用発見機能の評価を行った。盗用発見機能については類似した記述特徴を定量的に示し目視に近い精度が得られることが確認されたが、採点機能については高速に行えるもののまだ精度に改善の余地があると考えられる。改善策として、既存研究で提案されている出題意図の理解度を確認する設問を課すといった手法を併用することにより精度の向上を確認した。しかしながら、前述の方法では毎回の課題において出題意図の理解度を確認する設問を作成する必要があり、教員の負担が増加するという問題が残されている。また、本研究では二種類の類似性検出手法を実装したシステムにより採点・盗用発見を自動化し、教員の物理的・精神的負担を軽減することを目指している。このため最終的には提案手法の改良により採点機能の精度を向上させることが望まれる。本研究期間に行った実験データを元に、引き続き手法の改良を行い、本手法のみによる採点・盗用発見の自動化を目指したい。また、学生に対して行ったアンケート調査の結果から、本研究において提案した盗用発見手法は一般的な盗用発見手法に比べ精神的負担を感じさせにくい傾向があることを確認した。教員に対し行った聞き取り調査の結果からも、本手法の盗用発見による物理的・精神的負担の軽減可能性が確認された。授業課題ソースコードの完成度(成績)と可読性の相関について有意な結果は得られなかったが目視による確認および前述の聞き取りの結果から、何らかの関連性があることは否めない。これについては引き続き検討を行い、定量的に示す方法を提案することで新たな評価指標としての活用を目指したい。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)
ICIC Express Letters,
巻: Volume 6, Issue 5 ページ: 1405-1410
Procedia Computer Science
巻: 35 ページ: 1505-1512
10.1016/j.procs.2014.08.233