この研究では福島第一原発事故後にいわき市在住者らによって設立された地域SNS上で行われた放射能汚染のリスクについてのコミュニケーションの可視化を行った。その結果、科学的な知識をもつ人は特定の分野ではリーダーシップを発揮するが、人々を媒介する役割は果たしていなかった。リスクコミュニケーションにおいては共感的態度がより重要であることが示唆された。 人々の不安に影響を与える要因を分析するためのウェブ調査では、情報収集の活発さやリスク認知が放射線の影響に対する不安を高めることが分かった。科学技術への関心や放射線に関する知識は不安を低減する可能性はあるが一貫した結果は得られなかった。
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