自然共生型博物館では、施設内における野外由来微生物の定量的な濃度の把握が求められている。本研究では、気流測定を用いた定量的な濃度予測手法の確立を目的とした。 モデル施設内において指標菌を用いた浮遊菌測定による野外浮遊菌濃度の実測値と、気流測定を用いた予測値の比較を行った。その結果、各区画の予測値と実測値に高い相関がみられた。気流測定を用いた浮遊菌濃度予測は、浮遊菌測定による実測が困難な野外空気の流入口から離れた区画や、指標菌の内部発生がある施設においても、野外由来浮遊菌の定量的な把握が可能であることが示唆された。
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