本研究は、博物館における寄贈品と寄贈者に関する情報から明治初期の博物館収蔵品コレクションの形成について明らかにしようとするものである。明治期の博物館の歴史を明らかにすることは、近代化に向かう日本が文化財や美術といったものをどのように捉え、活動していたのかを明らかにすることであり、歴史学、美術史学、博物館学いずれにおいても重要である。そこで、日本で最も歴史の長い東京国立博物館の寄贈品と寄贈者を対象として基礎情報のデータベース作成を試みた。対象は博物館の草創期といわれる明治初年から明治19年に限定した。調査の結果、1112名の寄贈者と約5400件の寄贈に関して情報を収集することができた。
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