研究課題/領域番号 |
24700945
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金田 平太郎 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30415658)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 航空レーザー測量 / 山体重力変形 / 活断層 / 地理情報システム |
研究概要 |
コンピュータ・ソフトウェア等研究環境のセットアップを行ったのち,航空レーザー測量データ(1 m DEM)による地形表現図(地形保護指数図と傾斜量図を組み合わせたもの)のステレオペア作成,および実体視判読による微地形(山体重力変形地形・活断層地形)の抽出・デジタル化を進めた.作業の初期段階では,地形表現図ステレオペアの作成作業効率を上げるための専用プログラムを作成・改良するとともに,高解像度でステレオペアを作成するための新たなソフトウェアを導入した.このことにより,今年度は,研究対象地域(美濃山地西部)北半部の判読・デジタル化をおおむね終えることができた. また,今年度分の判読結果に基づき,山体重力変形地形と地形・地質・活断層の関係についての予察的なGIS解析を行った.その結果,少なくとも解析範囲内においては,山体重力変形地形の分布密度に活断層の存在が少なからぬ影響を与えていることが示唆された.米国地球物理学連合(AGU)2012年大会において,この予察的検討結果を発表するとともに,日本地球惑星科学連合2013年大会(5月)においても,さらに検討を重ねた内容の発表を行う予定である. 一方,夏から秋にかけて,山体重力変形地形・活断層地形・せき止め湖堆積物の現地調査を実施し,一部において,簡易ボーリング調査やハンドオーガー調査を実施した.また,採取した堆積物試料のテフラ分析を実施した.とくに,山体重力変形による凹地の形成年代や成長過程を解明するための方法論を探ることを目的として,本研究の研究地域外であるが,アクセスが良く夏でも調査可能な南アルプス,御池山周辺の山体重力変形地形についても,現地調査を実施した.ここでの調査・試行結果は,今後,本研究地域での調査に活かされる見込みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
航空レーザー測量データの解析・判読および現地調査は,いずれも,ほぼ当初計画通りに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き航空レーザー測量データの解析・判読および現地調査を進める.航空レーザー測量データに関しては,当初計画になかった福井県側のデータが手に入ったため,そちらの判読も進める予定である.また,現地調査は,当初計画通り,春季および秋季に集中的に実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は,主として,調査旅費・成果発表旅費・レンタカー代・放射性炭素年代測定費・研究補助謝金に使うが,必要に応じて,地形データ解析・判読や現地調査に必要な物品を購入する予定である.
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