研究課題
【セントロメアDNAが低メチル化を示す癌細胞のスクリーニング】胎児肺細胞、咽頭癌、結腸上皮細胞癌、肺扁平上皮癌、グリア芽腫、気道上皮癌、胃癌、乳癌、子宮頸癌、悪性黒色腫に由来する19ラインの癌細胞を解析対象とした結果、いずれの癌細胞もばらつきはあるものの、セントロメアを構成するAlpha satelliteは高メチル化状態を示した。一方、ペリセントロメアを構成するSatellite2ではグリア芽腫と悪性黒色腫で低メチル化状態の傾向を示し、特に悪性黒色腫では調べた5ラインの細胞全てで低メチル化状態を示した。次に悪性黒色腫におけるセントロメア由来転写産物の検出を行った。その結果、高メチル化状態を示したalpha-satelliteで転写産物を認めた一方で低メチル化状態を示したSatellite2からは転写産物を認めなかった。以上から、これらの転写制御にDNAメチル化以外のメカニズムが関わる可能性が示唆された。【セントロメア特異的にDNAメチル化を導入する実験系の確立】セントロメアDNAの低メチル化状態の機能解析を見据えて、セントロメア特異的にDNAメチル化を導入する実験系を開発することとした。セントロメアが低メチル化状態を示すマウス卵子をモデル細胞として用い、Minor satelliteに結合するCENPBタンパクのDNA結合ドメインと、バクテリア由来のDNAメチル化酵素であるSssIの融合タンパク質発現ベクターを細胞内に導入した。核内DNAメチル化イメージングとバイサルファイトシーケンスの結果からセントロメアへのDNAメチル化導入を示唆する結果を得たが、同時に他のゲノム領域へのDNAメチル化導入も認められ、オフターゲットの少ない手法の開発が今後必要となると考えられた。
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Biochem Biophys Res Commun.
巻: 453 ページ: 356-361
10.1016/j.bbrc.2014.09.089.
巻: 449 ページ: 222-228
10.1016/j.bbrc.2014.05.014.