研究課題/領域番号 |
24700956
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
鶴岡 千鶴 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 博士研究員 (60415411)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射線発がん / 中性子線 / 被ばく時年齢依存性 |
研究概要 |
近年、子どもが放射線診断や放射線治療の目的で頭部への被ばくをする機会が増してきている。しかし、小児期の被ばくによる発がんリスクに関する基礎データは、十分に蓄積されていないのが現状であり、さらには放射線源の違いにおける発がんリスクの基礎データはほぼ皆無である。そこで本研究では、乳児期の被ばくにより髄芽腫を高頻度に発生するPtch1遺伝子ヘテロ欠損マウスを用い、放射線源(ガンマ線もしくは中性子線)及び被ばく時年齢の違いによる髄芽腫の誘発機構がどのように異なるかを明らかにすることを目的とした。マウスは[C3/He×C57BL/6ptch+/-]F1を自家繁殖し、飼育・照射はすべてSPF環境下で行った。 平成24年度は実験群の設定を行った。被ばく時年齢は、放射線感受性の時期である胎生14日、17日、生後1日齢、4日齢、及び、非照射群に比べ髄芽腫発生率が低下する10日齢、さらには非照射群の6群で行い、放射線源は中性子線及びガンマ線を用いた。照射線量は、すべての実験群において0.1 Gy及び0.5 Gyの2線量(生後10日齢は0.5 Gyのみ)とした。中性子線照射実験は計19日間のマシンタイムで行い、ガンマ線においては順次照射実験を行った後、飼育観察を継続した。観察は1日1回目視にて行い、健康状態の悪化が見られたマウスは、解剖後病理解析を行った。また髄芽腫が発生した際には、髄芽腫組織の一部と正常組織(耳)を分子解析用に凍結保存した。すべての実験群において髄芽腫の発生は生後100日前後より観察されたが、中性子線0.5 Gyの胎生14日、17日、生後1日齢照射群では、その他の照射群及び非照射群比べ寿命短縮及び髄芽腫発生率増加の傾向が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
6~8月に中性子線加速装置の故障により照射実験が行えない時期(マシンタイム配分予定4日)等があったため、中性子線0.1 Gyの胎生14日及び17日照射群の設定が終了していない。しかし、マシンタイムが平成25年6月4回及び7月4回配分されているため、平成25年上半期中にすべての照射実験を行うことができる。 これまでの我々の報告(Ishida et al., Carcinogenesis, 31:1694-1701,2010)及びこれまでに照射実験を終了し観察中のマウスの結果より、髄芽腫発生は生後360日程で終了することが明らかである。その為、これから照射実験を行う実験群においても平成26年上半期までには観察を終了することができ、分子解析においても平成26年中に結果を示すことが出来る。 これらのことから、現在までの達成度を「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、照射実験の継続、及び照射後の健康観察を行う。 照射実験は、6月及び7月計8回のマシンタイムにおいて胎生14日及び17日へ中性子線0.1 Gyの照射を行い、すべての実験群の設定を完了させる。また、平成24年度と同様、照射実験を終了したマウスの健康観察を1日1回目視にて行い、体温低下・行動異常・頭部突出・呼吸異常等の健康状態悪化が見られたマウスの解剖及び病理診断を行い、各実験群の寿命及び髄芽腫発生率を算出する。 これまでに本研究で用いているPtch1遺伝子ヘテロ欠損マウスの放射線誘発髄芽腫は、野生型Ptch1遺伝子の欠失型による喪失の結果、発生していることが明らかにされており、Ptch1遺伝子が局在している13番染色体のLoss of Heterozygosity (LOH)解析を行うことにより、自然誘発型と放射線誘発型に区別することが可能である。そこで、ガンマ線誘発及び中性子線誘発髄芽腫の誘発機構に違いがあるのか否かをあきらかにする為に、13番染色体のLOH解析を行う。LOH解析は解剖時に採取した腫瘍(髄芽腫)及び正常(耳)の凍結サンプルから抽出したDNAを用い、Ptch1遺伝子の前後6カ所のマイクロサテライトマーカー(D13Mit303、D13Mit91、D13Mit210、D13Mit159、D13Mit76、D13Mit35)のPCR、Ptch1遺伝子座exon23の4016に存在するT/C多形型をNested PCR法とシークエンスにより解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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