当教室にて作成されたマクロファージ特異的Dominant-Negative MafB遺伝子改変マウス(TG)を用いて、転写因子MafBが腫瘍免疫で演じている役割を検討した。癌細胞移植モデルとして、メラノーマ細胞株を尾静脈からTGマウスと野生型マウスに投与したところ、両群間で生存率に差を認めず、腫瘍内・周辺に存在するマクロファージ数に差は認められなかった。無処置で飼育した場合の両群間の生存率にも差は認めず、ウレタン腹腔内投与後6ヶ月後に発症してくる肺結節・過形成病変に関しても両群で有意差を認めなかった。以上より、転写因子MafBは腫瘍免疫に関しては重要な役割を演じていないことが理解された。
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