研究実績の概要 |
悪性黒色腫は、日本でも近年増加傾向にある悪性腫瘍であり、転移が見つかった患者の5年生存率が低いこと(StageIII-50%, IV-10%以下)、化学療法、放射線治療が効きにくいことから、新規治療法の開発が重要である。申請者らは、家族性悪性黒色腫の原因遺伝子として新たに転写因子MITFを同定した(Yokoyama et al. Nature, 2011)。しかし、新規同定された変異型MITF(E318K)と野生型MITFにおける機能の違いについては、未だ理解されていない。 平成24年度は、MITFの新規標的遺伝子の探索により、抗アポトーシス遺伝子BCL2A1を同定し、その発現がBRAF阻害剤への耐性機構に関与することを明らかにした。 また平成25年度においては、Resveratrolがヒト悪性黒色腫の細胞増殖を抑制すること、さらには、ヒト悪性黒色腫で変異が同定されたRAC1が、肺がんにおいても治療標的となりうることを明らかにした。 平成26年度は、抗アポトーシス遺伝子MCL-1が、薬剤耐性において重要な役割を示すことを明らかにした。
|