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2013 年度 実績報告書

骨髄間葉系幹細胞の大腸癌増殖促進機構におけるメタロチオネインの重要性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24700979
研究機関広島大学

研究代表者

品川 慶  広島大学, 大学病院, 医科診療医 (50623609)

キーワード間葉系幹細胞 / メタロチオネイン / フィブロネクチン / 大腸癌
研究概要

本研究では骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)の大腸癌増殖・転移促進機構を、共培養実験、ヌードマウス同所性大腸癌モデル、ヒト大腸癌組織を用いて検討した。
大腸癌細胞をMSCと共培養し、癌細胞において誘導される遺伝子をマイクロアレイ法にて網羅的に検討したところ、接触性共培養では非接触性共培養よりも多くの遺伝子が変動することがわかった。MSCと非接触性に共培養すると癌細胞のメタロチオネイン(MT)の発現が上昇した。MTは癌の進展に寄与することが知られている。ヒト大腸癌組織の浸潤先進部でMTの発現が高かったことから、癌間質へ動員された骨髄MSCにより癌のMT発現が誘導されることを示唆しているが、MTを特異的に抑制するshRNAの作製が不可能でありMTの機能解析が困難であった。しかし、MT発現が癌の進展に与える影響については非常に興味深く、さらなる検証が必要である。
我々はこれまで、MSCと接触性に共培養した場合にのみ癌細胞の増殖が促進されることを明らかにしている(MSCとの非接触性共培養では細胞増殖が促進されない)。この点から、接触性の相互作用がMSCによる大腸癌増殖・転移促進機構に重要であると考えている。今年度の研究では癌細胞とMSCの接触性共培養の実験を行った。接触性共培養によって癌細胞のフィブロネクチン(FN)の発現が上昇した。FNは上皮間葉移行(EMT)のマーカーとしても知られている。ヒト大腸癌組織では非浸潤癌と比べて浸潤癌でFNの発現が高く、とくに浸潤先進部において高発現していた。ヌードマウス同所性大腸癌組織において、腫瘍間質に取り込まれたMSC近傍の癌胞巣でFNを高発現し、FN発現している癌細胞において上皮マーカーの発現が減弱していた。このことからMSCにより形成される腫瘍間質が癌細胞のEMTを誘導し、浸潤・転移能を高めていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Stroma-directed imatinib therapy impairs the tumor-promoting effect of bone marrow-derived mesenchymal stem cells in an orthotopic transplantation model of colon cancer.2013

    • 著者名/発表者名
      Shinagawa Kei
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer

      巻: 15 ページ: 813-823

    • 査読あり
  • [学会発表] 第3回先端がん転移研究討論会2014

    • 著者名/発表者名
      品川 慶
    • 学会等名
      骨髄由来間葉系幹細胞の大腸癌増殖・転移促進機構についての研究
    • 発表場所
      静岡県熱海市
    • 年月日
      20140215-20140215
  • [学会発表] Bone marrow-derived mesenchymal stem cells induces metallothionein gene expression in human colon cancer.2013

    • 著者名/発表者名
      Shinagawa Kei
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術集会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20130905-20130905
  • [学会発表] Interaction between bone marrow-derived mesenchymal stem cells and tumor cells induces metallothionein gene expression in human colon cancer2013

    • 著者名/発表者名
      Shinagawa Kei
    • 学会等名
      AACR 104th Annual Meeting 2013
    • 発表場所
      Washington, D.C., USA
    • 年月日
      20130410-20130410

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公開日: 2015-05-28  

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