研究課題
本研究では、CAR発現T細胞が抗原(標的となるがん細胞)と結合することで発現が誘導される分子スイッチ機能を有したプロモーターを作製した。そして、腫瘍局所で抗腫瘍性サイトカインを発現することで抗腫瘍効果の増強を図る治療ストラテジーを構築し、CAR発現T細胞を用いた養子免疫遺伝子療法の有効性向上に繋がる成果を上げることを目的とした。改変型SV40 early polyを2つ、ヒトIL-2プロモーター領域に存在する転写因子NFAT(nuclear factor of activated T-cells)結合領域を4つ、IL-2の最小プロモーター、レポーター遺伝子(ZsGreen1またはELuc)、BGH (bovine growth hormone) polyAを順に連結することで、ON/OFF比に優れたスイッチプロモーターを作製することができた。スイッチ発現カセットとCD19特異的キメラ抗原受容体(CAR: chimeric antigen receptor)発現ベクターを共に、ヒト健常者由来のPBMCにレトロウイルスベクターで遺伝子導入した。このPBMCをCD19陽性の標的細胞と共培養すると、時間経過と共にZsGreen1やELucの発現が誘導された。一方、CD19陰性細胞との共培養では、レポーター遺伝子の発現は誘導されなかった。さらに、この遺伝子発現誘導は、カルシニューリン阻害剤であるFK506で処理することにより抑制することができた。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 438 ページ: 84-9
10.1016/j.bbrc.2013.07.030.
Cancer Res.
巻: 73 ページ: 364-72
10.1158/0008-5472.CAN-12-0088.