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2012 年度 実施状況報告書

乳がんのバイオマーカー開発とその臨床的有用性を検証する後ろ向き観察研究

研究課題

研究課題/領域番号 24701000
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 信  東北大学, 大学病院, 助教 (20431570)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードバイオマーカー / 遺伝子発現プロファイル / 乳がん
研究概要

我々がこれまで開発してきたTP53 signatureは予後の予測性が高く、臨床的有用性が高いと考える。本研究の目的は、①Intrinsic subtypeとTP53 signatureの関連性についての検証、②TP53 signatureの臨床応用へ向けての簡便な診断法の開発、③TP53 signatureの臨床的有用性の後ろ向き観察研究による検証、の3点より、TP53 signatureの臨床的有用性に関するエビデンスの構築と臨床応用を目指すことである。
公共のデータベース上に公開されている乳がんコホート508例のデータを用いて、TP53 sigunatureとIntrinsic subtypeの関連性を検討した結果、Basal likeおよびHER2 enrich subtypeの症例の大多数はTP53変異型例であり、Luminal Aではほとんどの症例が野生型、Luminal Bでは約半数が変異型であった。また、TP53 signatureによって変異型と予測された症例では術前化学療法によって有意にpCR率が高いことが示された。またこれまでの予後因子で中間型となるGrade2の症例の予後を分けることが可能であった。
臨床応用へ向けて、FFPE組織由来のRNAを利用した診断用multiplex RT-PCR法の開発については、プライマー設計を終え、凍結組織由来RNAを使用した場合とのデータの比較を開始している。今後約180例でデータの検証を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度に計画していた(1)TP53 signatureとIntrinsic subtypeの関連性解析、(2)FFPE由来のRNAを用いたmultiplex RT-PCR法の開発、(3)症例収集のいずれにおいても、上記の通りの進捗を認め、計画していた内容の約8割程度は達成できたものと思われる。

今後の研究の推進方策

公共データベースのデータを有効利用し、エビデンスの構築と、臨床的ニーズに合致するアプリケーションの開発を目指す。FFPE組織を使用した診断系を確立し、臨床において使いやすい診断キットの開発を目指す。乳がん手術症例を収集し、TP53 signatureの有用性を検証できる新規の後ろ向きコホートを確立する。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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