がん抑制遺伝子TP53は乳がんの独立予後因子であることが知られている。本研究では、TP53ステータスを指標としたバイオマーカーの開発とその臨床的有用性を検討することを目的とした。88例の乳がんの手術検体を用いて、遺伝子発現パターンからTP53ステータスを診断する方法を開発した。また、公共のデータベースに公開されている508例の乳がんの遺伝子発現データを用いて、同診断法によって抗がん剤の治療効果が予測可能であることを示した。TP53ステータスを指標としたバイオマーカーによって乳がんの予後の改善が期待される。
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