研究課題/領域番号 |
24701012
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤岡 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90392381)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 甲状腺癌 / 血液検査法 / スクリーニング / フィブロネクチン / 糖鎖 |
研究概要 |
本研究は、1. 甲状腺癌を特異的に認識する抗体(JT抗体)を用いて、癌抗原の分子構造を解明すると共に、2. 蛍光半導体とJT抗体による「癌抗原血液検査法」の開発を目的としている。本法の開発によって、現行の甲状腺癌の血液検査法の課題を克服し、血液による甲状腺癌のスクリーニングに貢献することを目指す。 平成24年度は、JT抗体が認識する抗原構造の解明、及びJT抗体を使ったELISA法による甲状腺癌判別の臨床研究に取り組んだ。抗原構造の解明を目的とした研究では、SW1736細胞の細胞培養液からゼラチンカラムによるフィブロネクチンの濃縮を行い、トリプシンなど酵素による切断後、抗原認識部位の解明を試みた。この結果、認識領域や糖鎖構造の候補を絞り込むことができた。 また、JT抗体を使ったELISA法による臨床研究では、少数検体の検討において、甲状腺癌患者の血漿と対照群とを比較した際に、反応の有意差が見られている。今後、検体数を増やすと共に、判別精度を高める手法を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目的であった血液検査法の開発を達成し、更に、JT抗体が認識する抗原構造を絞り込むことができた。現在、臨床研究期間の途中段階であるが、少数サンプルを使った試験において甲状腺癌と対照群とに有意差が見られており、判別効果が期待できる。また、抗原構造は、認識領域と糖鎖構造を絞り込むことができており、今後、更なる詳細な構造決定を進める。
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今後の研究の推進方策 |
甲状腺癌抗原をペプチド領域、及び糖鎖構造まで詳細に決定する。また、決定された抗原構造をもとに、糖鎖抗原を認識する抗体やレクチンを取り入れるなど、血液検査法の精度を高める改良を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、抗原構造を詳細に明らかにするため、質量分析による解析、及びレクチンによる解析を進める。また、血液検査法の臨床研究に必要な試薬類への研究費使用を計画している。
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