卵巣癌細胞株を用いた腹膜播種モデルにおいて、可溶性プロスタグランジンE2受容体(FuEP2/Ex2)は腫瘍重量と血性腹水産生量の抑制をもたらし、腫瘍組織内でのCD31、CD163陽性細胞数が減少していた為、腫瘍血管新生と免疫抑制性マクロファージ集積の抑制が増殖抑制機序の一端を担っていると考えられた。マイクロアレイ解析により、FuEP2/Ex2発現細胞由来の腫瘍片で発現上昇が認められる遺伝子が6つ同定された。このうちTMPRSS4の阻害はFuEP2/Ex2発現細胞の腫瘍増殖を更に抑制した事から、TMPRSS4はFuEP2/Ex2による増殖抑制環境で生存因子として機能している可能性が示唆された。
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