研究実績の概要 |
最終的に242検体(ドナーとレシピエント121組)の収集を終了し、全検体においてKIR 16遺伝子型の同定を終え、また、そのうちの192検体(ドナーとレシピエント96組)においてNKG2D(rs1049174)、TLR4(rs4986790)、TLR9(rs187084)、CTLA-4(rs4553808、rs3087243、rs231775、rs5742909)、HMGB-1(rs41369348、rs2249825)の各SNPの同定作業を終了した。上記データと臨床データとの結合を行い、各遺伝情報とrelapse-free survival(RFS)との関連をLog-rank検定により検討を行った。解析対象患者121名の年齢は16-67(中央値44)歳、性別は男性64名、女性57名、急性骨髄性白血病 56名(46.2%)、急性リンパ性白血病 17名(14%)、骨髄異形成症候群 11名(9.0%)、非ホジキンリンパ腫 24名(19.8%)、その他 13名(10.6%)。病期は非寛解例 62名(51.2%)を含んでいた。移植後大量シクロフォスファミドを用いたHLA半合致移植例における解析(n=54)では、生存者の観察期間の中央値は458(135-1,864)日であり、KIRハプロタイプAA患者の移植 31例において、RFSはBxドナーからAA患者(n=7)で48%、AAドナーからAA患者(n=24)で9%であり、Bxドナーからの移植例で予後良好となる可能性が示唆された(P=0.088)。他の移植例においては、有意にRFSへ影響するKIR遺伝子型、SNPは認めなかった。
|