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2012 年度 実施状況報告書

金属ナノ粒子と外部エネルギー励起を用いた肝細胞癌に対する新規肝動脈注入療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24701034
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤村 知賢  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30594634)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード肝動注 / 外部エネルギー
研究概要

本研究の目的は、体外エネルギー(超高性能高周波発生装置、超音波)を用いた金属ナノ粒子による抗腫瘍療法の開発である。治療対象は肝細胞癌であり金属ナノ粒子は局注および肝動注により腫瘍に選択的に集積させる。具体的には、①高機能性鉄磁性体微粒子肝動注後の超高性能高周波発生装置を用いた磁場発生による温熱療法、②二酸化チタンナノ粒子肝動注後の超音波照射によるフリーラジカル発生を利用した抗腫瘍療法である。
肝癌細胞株としてラットの腹水肝癌細胞株(AH-130)を使用した。T細胞機能欠如マウス(BALB/cAJcl-nu/nu, 6週齢雄)の背部皮下にラット腹水肝癌細胞(AH-130, 1.0×106個/0.1ml) を注入した。注入後約1週間で腫瘍は触知可能となり、その大きさが約5mm×5mm以上になった時点で腫瘍を取り出した。取り出した腫瘍を、約2mm×2mmの大きさにし、T細胞機能欠如ラット(F344/NJcl-rnu/rnu, 8週齢雄)の肝左葉外側区の肝実質下に移植し、2週間の観察期間を置いた。まず、腫瘍動態を評価するために、腫瘍移植後4日目、6日目、8日目、10日目、15日目に肝臓を取り出し、腫瘍体積の測定、ラットの体重測定を行った。腫瘍体積は、G.Carlssonらの報告を参考にし(J Cancer es Clin Oncol 1983,105:20-23)、V=a×(b)2/2 (largest(a) and smallest(b) superficial visible diameters)にて算出した。その結果、腫瘍は移植後8日目より腫瘍体積の増加速度が速くなる傾向を認め、ラットの体重は移植後10日目より減少に転ずる傾向を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラットの肝動注手技の方法は確立していたが、非常に緻密かつ繊細な手技が要求された。まずはSDラットを用いて、肝動脈へカテーテルを留置する手技の習熟が必要である。

今後の研究の推進方策

本研究に用いる肝細胞癌担癌動物モデルは、実際の肝細胞癌と同様に動脈優位の血行動態をもつことが必要である。まず、摘出した腫瘍部位をマウスCD31抗体にて免疫染色を行う。動脈優位性に関しては、肝動脈を結紮することで腫瘍縮小効果を認め、腫瘍の動脈優位性を証明することができるため、本研究では腫瘍移植後8日目のラットの肝動脈を結紮し、腫瘍縮小効果が得られるかどうかを検討する方針とする。その後ラットの肝動注手技を用い、酸化チタンを腫瘍部に集積させ、治療を行う。

次年度の研究費の使用計画

実験用動物購入及びその飼育費、動物手術用器具、消耗品等を購入、また実験補助員の給与等に使用予定である。未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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