研究課題/領域番号 |
24701037
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
金田 裕靖 近畿大学, 医学部, 講師 (50351599)
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キーワード | 化学療法 / 抗がん剤耐性 / EMT |
研究概要 |
FOXQ1を遺伝子導入にて高発現させた肺がん細胞株において腫瘍増殖能亢進や抗がん剤によるアポトーシス抑制、血管新生亢進機能を確認した。FOXQ1による腫瘍増殖に関与していると考えられる血管新生亢進に対するFOXQ1の機能として、血管内皮増殖刺激因子であるVEGFをFOXQ1が直接発現誘導していることも確認できた。 EGFR遺伝子変異 (exon19 deletion)を有する肺癌細胞株PC-9とHCC827にEGFRチロシンキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI)暴露により作成したEGFR-TKI耐性株PC-9ZDとHCC827GR5において親株と比較をしてFOXQ1の発現上昇が見られた。またFOXQ1の標的遺伝子であるp21の発現上昇もEGFR-TKI耐性株において認められた。これらの結果より、EGFR-TKIの耐性機序にFOXQ1発現が関与していることが示唆される。現在、臨床検体を用いてEGFR-TKI投与前の臨床検体と投与後に耐性となった時点で採取した臨床検体のペアサンプルを用いてFOXQ1の発現について調べ、肺がんにおけるFOXQ1の発現によるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤耐性メカニズムの解明を検討する予定であり、検体を取集しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FOXQ1を遺伝子導入して作成するFOXQ1高発現肺がん細胞株において、FOXQ1の遺伝子導入率が高くなく、FOXQ1高発現の肺がん細胞株の作成に時間を要している。また、臨床検体を用いたFOXQ1発現やEGFR-TKI耐性メカニズム解明のために、治療前後のペアサンプルの集積に時間を要している。とくにEGFR-TKI耐性後の臨床検体は集積するのに難しいが、徐々に検体数は増加している。
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今後の研究の推進方策 |
1)FOXQ1の発現と肺がんの化学療法 (分子標的薬を含む)に対する治療効果および予後との相関解析 臨床検体を用いて測定されたFOXQ1の発現と測定に用いた検体の患者背景因子をもとに、FOXQ1の発現と抗がん剤やEGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療効果、予後等との相関解析を行う。FOXQ1発現のバイオマーカーとしての有用性を検討し、最終的に臨床試験において検証価値があるかを判断する。
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