肺がんは予後不良の疾患で、死亡原因の第一位である。近年、肺がんにおいてEGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子転座といった遺伝子異常が発見され、これら遺伝子異常を有する肺がんに対してEGFRチロシンキナーゼ阻害剤やALK阻害剤といった分子標的薬が従来の抗がん剤には見られないような劇的な抗腫瘍効果を示し、平均生存期間が2年以上となり進歩を遂げている。 しかし、その効果も長くは続かず、約1年の治療期間で無効になり薬剤耐性となる。その耐性メカニズムが研究されているが、すべて解明はされていない。肺がんで高発現しているFOXQ1遺伝子が、どのような機序で治療耐性に関与しているかをこのこの研究で明らかにした。
|