研究課題/領域番号 |
24701038
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
松田 彩子 独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 研究員 (30618997)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | QOL / 乳がん / 術後化学療法 / 心理社会的介入 |
研究概要 |
乳がんは、治療法の改善などにより生存率は高くなっているが、あらゆる段階でさまざまな身体面だけでなく、心理・社会的苦痛を受けることが報告されている。それにともない、治療期間中や治療後に実施される心理社会的介入の効果が期待されている。 本研究では、術後補助化学療法を受けた乳がん患者を対象にQOL評価を実施したRCT研究を対象にし、心理社会的介入効果を、Quality of life(QOL)の変化の相違という観点からシステマッティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。 その結果、Global QOL(全体のQOL)では有意な違いはあらわれなかったが、乳がんの症状面と感情面において、心理社会的介入群の効果が有意にあらわれた。特に、心理社会的介入のひとつであるサイコデュケーションの介入群においては、感情面において効果がみられた。この結果より、乳がん患者に実施する心理社会的介入の効果のエビデンスがQOL評価の観点から強められた。そして、QOL評価を実施することの重要性が明らかになった。 この結果は、国際学会で発表した(International Biometric Society (IBC)2012年8月神戸、International Society for Quality of Life Research(ISOQOL);2012年10月ブタペスト)。国内の学会でも発表予定である。また、論文にまとめ現在海外雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、術後補助化学療法を受けた乳がん患者を対象に、QOLおよび質調整生存年数(QALYs)の観点から評価するために、質問紙調査のプロトコルを作成し、倫理委員会に提出する予定でいる。
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今後の研究の推進方策 |
術後補助化学療法を受けた乳がん患者を対象に、QOLおよび質調整生存年数(QALYs)の観点から評価するために、質問紙調査を実施し、実施可能性を検討する。 また、本研究では、乳がん患者のQOLおよびQOLを考慮した質調整生存年数(QALYs)が心理社会的介入や治療法によって違いがあるかどうかに焦点をあて検討する。 まずは、メタアナリシスの結果を海外雑誌に投稿する。また、同様に、質問紙調査の結果をまとめ、学会発表するとともに、論文作成し、海外雑誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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