現在、各国ではレポジトリの設置に向けた議論は一段落し、これらをインフラとして活用するそのあり方へと議論の重点が移ってきたこと、またこれらの連携や合理化に関する問題点への関心が高まっていることが全体的な所見であり、こうした背景が各国における議論、特に一部の欧州諸国に見られるような法改正作業を支えていると考えられる。とりわけ、蓄積した試料の利活用とさらなる研究活動への展開を考える上で、リソース管理者としてのカストディアンシップの使命と責任のあり方をめぐる議論について更なる検討が必要である。一方、試料の二次活用における提供者の権利とその限界をめぐる議論も引き続き課題である。
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