研究課題/領域番号 |
24710007
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
横田 久里子 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60383486)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ノンポイント汚染 |
研究概要 |
伊自良川流域では河川水,湖沼水,林内雨及び林外雨中の水銀動態について,2週間に1度の現地調査を実施した.河川水と湖沼水中の水銀濃度は0.1ng/lと極めて低濃度であったが,降水(林内雨・林外雨)中の水銀濃度は最大20ng/lと高い値を示した.降水中の水銀濃度に降水量を乗して算出した沈着量は林外雨よりも林内雨の方が大きくなることがわかった.沈着量と降水量には相関があり,降雨強度で15mm/h以下の時には,降水量が多くなるほど沈着量が多くなることがわかった. 屋久島(鹿児島県)での調査は、海抜200m、400m、800mの各地点に大気中のガス状および粒子状水銀、降水中の水銀動態のほか、カスケードインパクターによる水銀以外の物質についてもサンプリングを実施している。6月、8月、11月の定期調査のほか、2013年1月より5月末まで共同研究者らとの協力により、3日に一度~1週間に1度の頻度で試料の回収を実施している。採取した試料について、順次測定をしている。 メチル水銀分析技術の習得に関しては、2012年10月から2013年3月まで環境省国立水俣病総合研究センターにて、松山先生の指導の下分析技術を習得した。計画では、2013年早々にはメチル水銀測定システムの構築の予定であったが、超高感度分析のため、新規カラムのエージングが最短で約6か月はかかることが分かり、現在カラムのエージングを実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで森林域での水銀沈着量について不明な点が多かったが,伊自良湖流域における年間沈着量を算出することができた. メチル水銀分析については現在システム構築中であり,2013年内には測定が可能になる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
屋久島(鹿児島県)にて2013年1月から実施している集中観測を、大陸からの黄砂等の影響が見られる5月末頃まで実施する。定期調査は、7月、10月、1月の3回を予定している。 これまでに採取した試料の分析を実施し、データがそろい次第順次解析し、屋久島における水銀動態を明らかにし、大気からの沈着量を算出する予定である。 2013年12月頃までにはメチル水銀分析システムを構築し、降水中水銀濃度が高いサンプルについて分析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
メチル水銀分析システムの構築のために30万円、屋久島での現地調査の旅費として50万円、調査・分析消耗品として60万円使用する予定である。
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