ベンゾ[a]ピレン(BaP)の異なる土壌由来腐植酸に対する収着特性と腐植酸との相互作用によるBaPの藻類生育阻害率の変化を検討した。その結果,腐植酸の種類によりその程度は異なったが,腐植酸濃度に伴いBaPの収着量は増大し,藻類生育阻害率は低下する傾向が認められ,腐植酸への収着によりBaPの急性毒性は軽減することが示唆された。さらに,HAと収着させたBaPをlaccaseによる生分解処理をした場合,藻類生育阻害率はBaP単体の場合と大きく異なり極めて低い値を示し,腐植酸と相互作用したBaPは生分解を受ける際も単体の場合と異なる毒性挙動を示すことが示唆された。
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