研究課題/領域番号 |
24710019
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研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
研究代表者 |
中澤 文男 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (80432178)
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キーワード | 氷河 / 花粉 / DNA / アイスコア / ロシア・アルタイ山脈 |
研究概要 |
本研究ではこれまで、ロシア・アルタイ山脈の氷河試料に含まれるマツ属花粉をもちいて研究を進めてきた。マツ属の下位の階級には、2亜属、4節、17亜節、約111種が存在する。これまでの研究成果として、全ゲノム増幅(WGA)法により、氷河中の花粉1粒ずつのゲノムDNA増幅に成功したことが挙げられる。この成功により、WGA 増幅産物をもちいて、複数の遺伝子領域を調べることが可能になった。得られた塩基配列情報からは、花粉種の特定、もしくはその候補を数種まで絞ることに成功した。反応条件、最適なプライマーの設計など細部の検討は残っているものの、花粉1粒ずつのDNA分析から種を同定するための基本的な技術を確立できた。 昨年度までの成果として、北米にのみ分布するAustrales亜節や、カナリア諸島・地中海・ヒマラヤにのみ生息するPinaster亜節に同定される花粉が氷河試料中から見つかっていたが、未だ種を特定するには至っていない。ゲノム増幅のルーチン化に向けた反応条件や反応試薬類の検討が1~2ヶ月以内に終了する。その後は、多くの花粉を処理する中で、これら長距離輸送された花粉種の同定、その起源(発生地域)を明らかにできるだろう。 今後は、氷河のピット観測により採取された3年間分の雪氷試料をもちいて、長距離輸送による花粉は毎年飛来しているのか、近距離輸送による花粉との割合はどうか、さらに数値実験(例えば流跡線解析)との比較等について考察を進めて行く。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全ゲノム増幅法を取り入れた手法開発に予想以上の時間を要した。ルーチン化に向けた反応条件等の検討が残っているものの、本年度は、花粉1粒ずつのDNA分析から種を同定するための基本的な技術を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
全ゲノム増幅法による花粉DNAの増幅は、古代花粉DNA研究の可能性を最大限に引き出すものである。そのため、この手法を本研究期間中には完成させる。現時点では、手法完成まであと一歩のところに来ている。アイスコア中のマツ属とカバノキ属の花粉DNA分析は、平成26年度後半には着手できると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
DNA分析手法開発の遅れに伴い、当初購入予定であった試薬類を購入しなかったため。 DNA分析用の試薬類・チップ等プラスチック製消耗品の購入に使用する。
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