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2013 年度 実績報告書

近年の日射量増加が閉鎖性海域の一次生産および貧酸素水塊に与える影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24710023
研究機関横浜国立大学

研究代表者

田中 陽二  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 研究教員 (30455498)

キーワードGlobal brightening / 一次生産 / 貧酸素水塊 / 閉鎖性内湾
研究概要

伊勢湾を対象として基準年を2010年として、気象データ・河川データ・開境界データを整理し、現状再現シミュレーションを行った。伊勢湾では中部地方整備局によって伊勢湾モニタリングポストが4地点に設置されており、水温・塩分・流動・クロロフィルa・DO等が1時間間隔で観測されているため、それを用いて計算結果の検証を行った。計算結果は観測値をよく再現していた。
2010年の基本ケースと日射量を10%削減したケースとの計算結果の比較・解析を行った。一次生産の時空間的な変動パターンとして、河口付近で一次生産が大きく低下しており、湾全体では一次生産が2.8%低下した。日射量が10%削減に対し、一次生産が2.8%の低下に留まった理由として、ひとつは湾央部では栄養塩制限によって日射量の増加が抑えられたためであった。もうひとつの理由は水面付近では日射量増加によって強光阻害が発生し、日射量の増加が実質的に一次生産の増加に結びついていないためであった。一次生産が増加した主原因は日射量増加による水温の増加であった。貧酸素水塊の体積は全体的に増加し、8月平均では5.8%の増加となった。底層での溶存酸素のフローを調べたところ、酸素消費量の増加は植物プランクトンとバクテリアの呼吸量の増加が主原因であった。したがって、酸素消費が増えたメカニズムとして、日射量増加によって水温が温められることで一次生産が増加した。それによって植物プランクトンを食する動物プランクトンや原生動物が増加し、水柱のデトリタスが増加するとともにバクテリアが増加し、生物呼吸による酸素消費とアンモニアの酸化等による化学的な酸素消費が増加していた。
本研究内容は海外ジャーナル誌に投稿した(査読中)。また、本研究から派生したサブ研究として、メッシュサイズに依存した格子細分化指標の検討も行い、土木学会論文集に投稿し掲載された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 閉鎖性内湾における残差流に着目したメッシュ細分化指標の検討2013

    • 著者名/発表者名
      田中陽二, 岡崎光平, 佐々木淳
    • 雑誌名

      土木学会論文集B3(海洋開発)

      巻: 69(2) ページ: I_1246 - I_1251

    • DOI

      10.2208/jscejoe.69.I_1246

    • 査読あり
  • [学会発表] 閉鎖性内湾における残差流に着目したメッシュ細分化指標の検討2013

    • 著者名/発表者名
      田中陽二
    • 学会等名
      海洋開発シンポジウム
    • 発表場所
      米子市
    • 年月日
      20130627-20130628

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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