研究概要 |
2つのわずかに撮影時間が異なる赤外画像を取得する衛星搭載センサ(IIRとMODIS)の校正を行った。これにより、人工衛星で初めて「積乱雲の雲の高さの鉛直速度(雲頂高度の時間変化)」と「積乱雲の降雨の激しさ(IIRやMODISと同期観測を行った衛星搭載雲レーダCloudSatのエコーのデータ)」を比較することに成功し、その成長・減衰過程を調べ、以下の論文にまとめた。論文のデータ校正の個所を担当した。 Luo, Z. J., J. Jeyaratnam, S. Iwasaki, H., Takahashi, and R. Anderson, 2014: Convective vertical velocity and cloud internal vertical structure: An A-Train perspective, Geophysical Research Letter, 41, 723-729, doi:10.1002/2013GL058922. 数値モデルのWRFを用い、オーバーシュート(極めて発達した積乱雲の頂上の雲)が下部成層圏に及ぼす影響を再現しようと試みた。観測事例そのものを再現することが出来ないことが分かったので、観測データの解析に役立てることはできなかった。しかし、数値実験では、下部成層圏を乾燥させる可能性を示唆できた。
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