雷雲とも言われる積乱雲は、その雲の頂きの直接観測が非常に危険で難しいため、直上の成層圏に及ぼす役割は知られていない。本研究では、成層圏まで達する極度に発達した積乱雲が成層圏にどれほど物質(水蒸気など)を運搬するのか最新の人工衛星のデータ解析により調べた。 まず観測センサによる積乱雲の見え方の差を比較した。また、激しい上昇流によって雲頂の温度が1分間でも変わることも分かった。これらは世界に先駆けて論文として発表した。これらの研究を経て、積乱雲そのものではなく、積乱雲から派生した雲(国内では無名の特殊な雲)が成層圏に物質を運んでいることを示す傍証が得られ、これは今後の研究課題となった。
|