海棲哺乳類のへい死イベントに関するデータと全球多媒体モデルFATEのポリ塩化ビフェニル(PCBs)の暴露量予測から統合的環境リスク評価手法をデザインするための研究を行った.海棲哺乳類の大量へい死が起こり得るPCBsの臨界暴露量を定義し,化学汚染のホットスポット(地中海や北西ヨーロッパ沿岸域)を特定した.この臨界暴露量は,化学汚染の閾値と限界を評価するための尺度であり,「地球の限界」や「人間-自然系の限界リスク」のような新しいパラダイムを補完する.本研究で構築した統合的環境リスク評価手法は,海生哺乳類大量へい死イベントにおける化学汚染と騒音被害の相対的重要性を評価することに応用し得る.
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